ステマ規制とは — 2023年10月に何が変わったか

先生、最近「ステマ規制」ってよく聞くんですけど、口コミにも関係あるんですか?なんか気になってて…。

実はね、2023年10月から景品表示法にステルスマーケティング(ステマ)が「不当表示」として追加されたんですよ。これ、医療機関にもバッチリ関係ある話で。
ここが大事なんですけど、規制の対象が「広告主」つまりクリニック側なんです。投稿した患者さんじゃなくて、依頼した側が責任を問われる。ここ、意外と知らない先生が多いんですよね。

えっ、患者さんじゃなくてクリニック側が罰せられるんですか!? それは知らなかった…。
「第三者の表示」規制の概要
2023年10月1日に施行されたこの規制は、正式には「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」の告示と呼ばれます。
ざっくり言えば、事業者が関与しているのに、あたかも第三者の自主的な感想であるかのように見せる表示がNGになりました。口コミの文脈で言い換えると、「クリニックが依頼・指示して書かれた口コミなのに、患者さんが自発的に書いたように見せること」が違反にあたります。
具体的には以下のようなケースが該当します。
- クリニックが患者に対価を渡して口コミ投稿を依頼し、その事実を明示しない場合
- スタッフや関係者が患者になりすまして口コミを投稿する場合
- 口コミ代行業者に依頼して、第三者の声を装った投稿をさせる場合
ステマ規制は「広告であることを隠すこと」を問題視しています。つまり、口コミの内容が事実であっても、事業者の関与を隠していれば違反になり得ます。内容の真偽ではなく「誰が発信に関与しているか」が問われる規制です。
医療機関が広告主として負う責任
この規制で重要なのは、責任を負うのは投稿者ではなく広告主(事業者)という点です。クリニックが口コミの投稿を依頼した場合、その口コミがステマと認定されれば、クリニック側が処分の対象となります。
「うちは患者さんにお願いしただけ」という認識であっても、対価の提供や投稿内容の指示があれば事業者の関与とみなされます。口コミを集める行為そのものが悪いのではなく、その関与を消費者に対して隠す構造が問題です。
医療広告ガイドラインとの二重規制を整理する

へぇ〜! 景品表示法のほかに、医療広告ガイドラインっていうのもあるんですよね? それも口コミに関係してくるんですか?

よく聞かれるんですが、医療機関は景品表示法のステマ規制に加えて、厚労省の医療広告ガイドラインにも縛られるんですよ。つまり口コミに関しては2つの規制が同時にかかる。ここが一般企業とは事情が違うところなんです。
医療広告ガイドラインにおける口コミ・体験談の扱い
医療広告ガイドラインでは、患者の体験談を広告として利用することが原則として禁止されています。これはステマ規制とは別の観点から口コミの取り扱いを制限するものです。
なぜ禁止されているかというと、患者個人の体験は個別性が高く、「この人に効果があった治療が、他の人にも同じ効果がある」と誤認させるリスクがあるためです。特に自由診療(インプラント、美容医療など)の分野では、治療効果の個人差が大きいため、体験談をそのまま宣伝に使うと不当な誘引になりかねません。
二つの規制が同時適用されるケース
医療機関が口コミ依頼をする際に気をつけるべき二重規制のポイント:
- 景品表示法(ステマ規制) — 事業者の関与を隠した口コミ表示は不当表示
- 医療広告ガイドライン — 体験談を広告に利用すること自体が原則禁止
- 同時適用 — 口コミ代行で書かせた体験談を自院サイトに掲載すると、両方の規制に抵触する可能性
たとえば、クリニックが口コミ代行業者に依頼して投稿させた口コミを、さらに自院のホームページに「患者様の声」として掲載した場合。景品表示法ではステマ、医療広告GLでは体験談の広告利用禁止——二つの規制に同時に違反する形になります。
NG事例 — やってはいけない口コミ依頼パターン

具体的にどういうやり方がNGなのか、めっちゃ気になります。知らないうちにやっちゃってたらどうしよう…。

ちょっと気をつけてほしいのが、よくある3つのパターンなんですよ。どれも「悪意なくやっちゃった」ってケースが多くて。順番に見ていきましょうか。
インセンティブ提供型NG
「口コミを書いてくれたら次回の診察料を500円引きにします」「口コミ投稿でデンタルグッズをプレゼント」——こうした対価提供型の口コミ依頼は、景品表示法のステマ規制とGoogleポリシーの両方に違反します。
たとえ少額であっても、口コミ投稿と引き換えに何かを渡すという構造がある時点で、「事業者の関与がある表示」と判断されます。患者さんへの感謝の気持ちからであっても、対価と口コミを結びつけてはいけません。
なりすまし・代行型NG
スタッフが患者になりすまして口コミを投稿したり、口コミ代行業者に投稿を委託するケースです。これはステマ規制の中でも最も悪質とみなされやすいパターンで、Googleアカウントの停止処分に直結するリスクもあります。
「口コミ代行 月○件保証」といったサービスを見かけることがありますが、こうしたサービスの利用はステマ規制違反に加え、Googleのポリシーにも明確に反しています。
評価誘導型NG
「満足していただけた方だけにお願いしたい」「星5をつけてもらえると助かります」——こうした高評価のみを誘導する行為は、レビューゲーティングと呼ばれ、Googleポリシーで禁止されています。
ステマ規制の観点でも、事業者が口コミの内容や評価を指示・誘導する行為は「事業者の表示」とみなされる可能性があります。口コミを依頼する際には、評価の内容や星の数を指定・誘導しないことが原則です。
OK事例 — 適法に口コミを増やす運用ライン

えっ、じゃあ口コミを増やすこと自体がダメってことですか? 何もできないんですか…?

いえいえ、そんなことはないですよ。対価なし・内容指示なしで、投稿の方法を案内するだけなら全然OK。
考え方のコツとしては、口コミを「集める」じゃなくて「書きやすい環境を整える」に切り替えること。これだけでだいぶ違います。

そういうことか〜、ちょっと安心しました! 具体的にどこまでOKなのか、もう少し教えてほしいです。
投稿導線の案内はどこまで許されるか
口コミの投稿方法を案内すること自体は、景品表示法にもGoogleポリシーにも違反しません。具体的には、以下の行為は適法と考えられます。
- 待合室や受付にGoogle口コミページへのQRコードを設置する
- 「ご意見をお聞かせください」という掲示を院内に貼る
- 診察後に「よろしければGoogleで感想をお聞かせください」と声をかける
大切なのは、
「書いてください」ではなく「書きたいと思ったときに書きやすい環境を整えておく」という姿勢が、規制に抵触しない運用の基本です。
院内アンケートから口コミへの自然な動線
もう一つの適法な方法として、院内アンケートを使う方法があります。
アンケートで患者さんの満足度を把握し、「もしよろしければGoogleでも感想をお聞かせいただけると嬉しいです」と案内する——この流れは、対価もなく、内容の指示もないため、ステマ規制には抵触しません。
ここで注意すべきなのは、アンケートの回答内容によって口コミ依頼の有無を分けないことです。満足度が高い人にだけ口コミページに案内する仕組みは、レビューゲーティングに該当します。アンケート回答後の口コミ案内は、回答内容を問わず全員に同じ形で提供することが条件です。
メオクリでは、アンケート回答後にすべての患者さんに同じ画面でGoogleへの口コミ案内を表示する設計を採用しています。レビューゲーティングにならない動線を仕組みとして担保することで、スタッフの判断に依存しない運用が可能です。
違反が発覚した場合のリスクと実務的影響

もし違反しちゃった場合って、どうなるんですか? けっこう怖いですよね…?

正直なところ、影響は軽くないですね。行政処分、Googleのペナルティ、それから患者さんからの信頼低下——この3つが同時に来る可能性があるんですよ。
行政処分と公表リスク
景品表示法に基づくステマ規制に違反した場合、消費者庁から措置命令が出される可能性があります。措置命令が出されると、事業者名(クリニック名)と違反内容が消費者庁のウェブサイトで公表されます。
医療機関にとって名前の公表は、患者さんとの信頼関係に直結する深刻なダメージです。「あのクリニック、ステマで処分された」という情報がインターネット上に残り続けることを考えると、規制違反のコストは違反行為で得られるメリットをはるかに上回ります。
Googleプラットフォーム側のペナルティ
行政処分とは別に、Googleもポリシー違反に対して独自のペナルティを科します。
Googleの主なペナルティ:
- 口コミの一括削除 — 不正と判断された口コミが大量に削除される
- Googleビジネスプロフィールの停止 — 最悪の場合、プロフィール自体が停止される
- 検索順位の低下 — MEO(ローカル検索)での表示順位が下がる
特にGoogleビジネスプロフィールの停止は、地図検索からクリニックが表示されなくなることを意味します。新規患者の獲得経路が一つ失われるのは、集患面で大きな打撃です。
正しい方法でコツコツ積み上げた口コミは、行政処分にもGoogleペナルティにも強い資産になります。ルールの範囲内で地道に取り組むことが、結果的にはもっとも効率的な口コミ対策です。
まとめ

ステマ規制と医療広告ガイドラインの二重規制、ややこしそうに見えるんですけど、守るべきラインはシンプルなんですよ。「対価なし・指示なし・全員に公平」——この3つだけ。これを押さえておけば、適法に口コミを増やすことは十分できます。
📋 この記事のポイント

NGとOKの境界線がはっきりわかりました! これで安心して口コミ施策に取り組めそうです。やっちゃダメなことが明確になったのが一番の収穫でした。

いいですね! 規制って「口コミを増やすな」って言ってるわけじゃなくて、「正しいやり方でやってね」ってことなんですよ。ルールの範囲で仕組みを整えれば、口コミは着実に積み上がります。焦らずいきましょう。

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