開業直後の集患が難しい3つの理由

先生、クリニックを開業したんですが、なかなか患者さんが増えなくて困っています。ホームページも作ったし、チラシも撒いたのに…。

あー、それはよく聞く話です。開業したての先生はほぼ全員そこで詰まります。焦らなくて大丈夫ですよ。まず原因を整理してみましょうか。
開業したばかりのクリニックが患者さんを集めるのが難しい理由は、大きく3つあります。この3つを理解しておくと、どこから手をつければよいかが見えてきます。
**1つ目は「認知度ゼロからのスタート」です。**どれだけ腕がよくても、地域の患者さんにクリニックの存在を知ってもらわなければ来院には至りません。地域での認知は時間をかけて積み上げていくものですが、最初の1年が今後の基盤を作る最重要期間です。
**2つ目は「口コミがない状態の不利」です。**患者さんがクリニックを選ぶとき、Googleマップの口コミを参考にするケースが増えています。口コミ件数が0件のクリニックは、同じ地域に口コミが10件・20件あるクリニックと並んだとき、「実績がわからない」と感じられて選ばれにくくなるという現実があります。
**3つ目は「ホームページだけでは見つけてもらえない」という問題です。**クリニックのホームページはいわば「お店の看板」ですが、患者さんがわざわざ検索してそのホームページを見てくれるには、まず「クリニックの存在を知っている」必要があります。地域の患者さんが最初に触れるのは、Googleマップの検索結果であることがほとんどです。

へぇ〜!じゃあGoogleマップで見つけてもらえるようにするのが最優先ってことですか?

そうです、まさにそれです。それがMEO対策ですね。開業直後にGoogleマップを整えておくかどうかで、その後の集患のしやすさが全然違ってくるんですよ。
患者さんが「近くの内科」「〇〇駅 歯医者」と検索したとき、Googleマップの検索結果に上位表示されるための取り組みをMEO対策と呼びます。ホームページのSEO対策とは別の話で、クリニックのような地域密着型ビジネスにとってはMEO対策の方が即効性が高いと言われています。
開業前にやっておくべきGBP準備

MEO対策って、開業前からできることはありますか?早めに動けるなら動きたいです!

あります!実はね、GBP(Googleビジネスプロフィール)の登録は開業前から動けるんです。開業後にバタバタしてから設定しようとするとかなり時間を取られるので、先にやっておくのが正解です。
GBP(Googleビジネスプロフィール)とは、Googleが提供する無料のビジネス情報管理ツールです。患者さんがGoogleマップで検索したときに表示されるクリニックの情報ページで、クリニック名・住所・電話番号・営業時間・写真・口コミなどがすべてここで管理されます。
GBPを整備していないと、そもそも検索結果に表示されない、あるいは間違った情報が表示されてしまうリスクがあります。開業と同時に正確な情報を届けるために、準備は早めに進めておきましょう。
オーナー確認の進め方
GBPを管理するには「オーナー確認」という手続きが必要です。business.google.com にアクセスして、クリニックの情報を入力すると、登録した住所にGoogleからハガキが郵送されます。そのハガキに記載された5桁の確認コードを入力することで、オーナー確認が完了します。
ハガキの到着には通常1〜2週間かかります。開業日から逆算して、少なくとも3〜4週間前には手続きを開始しておくと、開業と同時にGBPを本格稼働させることができます。

えっ、ハガキ!?2週間もかかるんですか、思ったよりアナログな感じがします(笑)

そうなんです、正直ちょっと古さは感じますよね(笑)。ちゃんとそこに実在するビジネスかを確かめるための仕組みなんです。電話やビデオ通話で完了できるケースもあるんですが、ハガキが一番多い方法なので、時間に余裕を持って動くのがコツですよ。
診療科目・営業時間の登録のコツ
GBPの基本情報として、以下の項目を正確に設定してください。
開業前に設定しておくべきGBP基本情報:
- クリニックの正式名称(看板・公式サイトと一致させる)
- 正確な住所(都道府県・市区町村・番地・建物名まで)
- 代表電話番号(開業後に変わる場合は更新を忘れずに)
- 診療時間(祝日・休診日の設定も含む)
- 主要カテゴリ(「内科医」「歯科医」など、最も近い診療科を選ぶ)
- 公式ウェブサイトのURL
注意点として、GBPのビジネス名にキーワードや地名を追加することはGoogleポリシー違反になります。「〇〇内科クリニック 新宿 夜間対応」のような名称はペナルティの対象になるため、実際の施設名をそのまま登録することが原則です。
院内写真の撮影ポイント
開業前の内覧会や、開業直後のきれいな状態のうちに院内写真を撮影しておくことをおすすめします。GBPに写真が掲載されているクリニックと掲載されていないクリニックでは、患者さんのクリック率に大きな差が生じます。
優先的に撮影したい写真は以下の順番で考えてください。
- 外観(昼間・正面から、建物全体が入るように)
- 受付・エントランス(入ってすぐの雰囲気がわかるもの)
- 待合室(広さと清潔感が伝わるもの)
- 診察室(設備や雰囲気が伝わるもの)
スマホのカメラで十分です。明るさと清潔感を最優先に、撮影前に部屋の整理整頓を行ってから撮影してください。
開業1〜3ヶ月目のMEO対策ロードマップ

オーナー確認も済んで、基本情報もバッチリ入力できました!開業後の最初の3ヶ月って、何から手をつければいいですか?

ここが大事なんですけど、焦って一気にやろうとしなくて大丈夫です。GBPの情報をしっかり整えることと、定期的な投稿を習慣にすること、この2つを地道に続けていくのが一番効きます。
開業後1〜3ヶ月目は、GBPの基盤を整えながら継続的な更新を始める時期です。焦らず、できることから少しずつ積み上げていくことが大切です。
週1回の投稿ルーティンをつくる
GBPには「投稿」機能があります。クリニックからのお知らせや情報をGoogleマップ上で発信できる機能で、定期的に投稿しているGBPはGoogleから「活発に運営されている」と評価される傾向があります。
週1回の投稿を習慣にするには、ネタのストックを事前に考えておくことが大切です。クリニック向けの投稿ネタとしては、以下のようなものが書きやすいです。
- 季節の健康情報(「花粉症シーズンが始まりました」「インフルエンザ予防接種の受付開始」など)
- 診療体制のお知らせ(「土曜日の診療を開始します」「夏季休診のご案内」など)
- 院内の取り組み(「オンライン予約に対応しました」「駐車場を2台分増設しました」など)

毎週投稿するって、なかなか大変そうです…。どのくらいの文章量が必要ですか?

全然そんなに書かなくて大丈夫です!2〜3文で十分ですよ。長文より、シンプルな内容を毎週続ける方がずっと効果的なので、むしろ短くていいんです。
投稿1件の長さは100〜200文字程度でも問題ありません。写真を1枚添えると閲覧率が上がります。担当スタッフを決めて、曜日を固定して更新するルーティンを作っておくと継続しやすくなります。
GBPの「最新情報」投稿は7日後に非表示になる仕様です。週1回の更新を続けることで、常に新しい投稿がGBP上に表示され続ける状態を維持できます。
地域密着キーワードの選び方
MEO対策で重要なのが、どのキーワードで患者さんに見つけてもらうかです。クリニックの場合、「地域名+診療科名」の組み合わせが最も重要なキーワードになります。
たとえば「新宿区 内科」「渋谷 歯医者」「武蔵野市 皮膚科」のように、実際の患者さんが検索するときのキーワードを意識して、GBPの情報を整えていくことが基本です。
GBPの説明文(ビジネス説明)には、地域名と診療科名を自然な文章の中に含めることで、関連性の高い検索で表示されやすくなります。ただし、キーワードを不自然に詰め込むことはマイナス評価につながるため注意が必要です。
口コミゼロを脱出する方法

GBPの設定はひと通りできてきたんですが、口コミがまだ0件で…。0件って、患者さんからどんなふうに見えているんでしょう?

正直なところ、0件だとやっぱり「実績が見えない」と思われてしまうのは事実です。でも、きちんとした方法でやれば最初の10件は必ず集められます。順番にやっていきましょう。
口コミがない状態を脱出するには、患者さんが口コミを書くまでの「心理的なハードルを下げること」が重要です。多くの患者さんは「書きたいと思っていても、ゼロから文章を考えるのが面倒」という状態にあります。
来院患者への声かけのタイミング
口コミをお願いするタイミングは、診察が終わり、患者さんが満足感や安心感を感じているときが最も効果的です。具体的には、会計の待ち時間や処方箋を受け取ったタイミングが、自然に声をかけやすい場面です。
逆に、診察前の緊張しているタイミングや、症状が辛くて気持ちの余裕がないときにお願いするのは逆効果です。「どんな状態の患者さんに、いつ声をかけるか」を明確なルールとして決めておくことが大切です。

たしかに!でもスタッフが「口コミを書いてください」って言うのって、患者さんに変な印象を与えたりしませんか?

ここが大事で、「口コミを書いてください」と直接言うんじゃなくて、「アンケートにご協力いただけますか」という言い方にするだけで全然違うんです。「自分の意見を聞いてもらえる」感覚になると、患者さんも自然に応じてくれますよ。
スタッフから患者さんへの声かけ例として、以下のような言い方が自然です。
「本日はご来院ありがとうございました。よろしければ診察のご感想をアンケートでお聞かせいただけますか?こちらのQRコードからご回答いただけます」
「アンケート」という言葉を使うことで、患者さんが「口コミ投稿を強いられている」と感じにくくなります。回答した内容をもとに口コミ文案が自動生成されるため、患者さんは文章を考える手間なく投稿できます。
ポリシー違反にならない依頼方法
口コミを依頼するとき、Googleポリシーを事前に知っておくことが大切です。
Googleポリシー違反になる口コミ依頼の方法:
- 「口コミを書いてくれたら割引します」「書いてくれた方にプレゼント」など、報酬を条件にした依頼
- 満足している患者さんだけを選んで口コミに誘導する行為(レビューゲーティング)
- スタッフや家族、知人など、クリニックと利害関係のある人物に書かせる行為
- 否定的な口コミを書いた患者さんに削除を求める行為
安全な依頼方法は、すべての来院患者さんに対して同じ方法で案内するというアプローチです。QRコードアンケートを受付に設置して、会計時にスタッフが一声かけてカードを渡す、という流れを仕組みとして整えておくと、特定の患者さんだけを選別する行為を避けられます。
開業半年で見直すべきチェックリスト

おかげさまで開業から半年が経ちました!GBPの更新も口コミ収集もなんとか続けてこれてます。この時期に見直しておくべきことってありますか?

半年ってちょうどいい節目なんですよ。ここで一度立ち止まってGBPと口コミの状況を確認しておくと、次の半年でグッと伸ばしやすくなります。
開業から半年経過したタイミングは、これまでの取り組みを振り返り、改善点を把握するのに最適な時期です。以下のチェックリストを参考に、現状を確認してみてください。
GBP情報の更新確認
まず確認したいのは、GBPに登録した基本情報が最新の状態になっているかどうかです。開業から半年の間に変わったことはないでしょうか。
半年に1回確認したいGBP情報のチェックポイント:
- 診療時間(休診日・曜日ごとの時間が正確かどうか)
- 電話番号(変更があった場合は更新されているか)
- ウェブサイトURL(リニューアルや変更がないか)
- 写真の枚数と新しさ(古い写真しかない場合は追加する)
- 特別営業時間の設定(休診日や祝日の設定が適切か)
情報の正確さはGBPの評価に直結します。診療時間の誤記は来院ミスにつながり、信頼を損ねる原因になるので、半年に1回は確認する習慣をつけておきましょう。
口コミ返信の状況
半年間で届いた口コミに、丁寧に返信できているかを確認してください。良い口コミにも、改善を求める口コミにも、返信することが重要です。

口コミに返信するって、MEO的にも効果があるんですか?

あります。Googleは口コミへの返信を、ちゃんとユーザーと関わっている証拠として見ているんです。丁寧に返信しているクリニックは検索順位にもプラスに働くと言われていますよ。それだけじゃなく、来院を迷っている患者さんって返信の内容もちゃんと読んでいるので、第一印象を作る場にもなっています。
返信を書く際のポイントは、具体的な一言を添えることです。「ありがとうございます」だけで終わらせず、口コミに書かれた内容に触れた返信をすることで、誠実さが伝わります。また、患者さんの氏名・診断内容・症状などの個人情報を返信に含めないよう注意してください。
順位の把握と改善
「〇〇市 内科」「〇〇駅 歯科」のような地域名+診療科のキーワードで、実際にGoogleマップで検索してみて、自クリニックがどの位置に表示されているかを確認してください。
開業直後と比べて順位に変化がある場合、GBPの充実度・口コミの件数と評価・投稿の頻度がどの程度改善されたかを振り返ることで、次のアクションが明確になります。
半年で口コミが10件以上集まり、投稿が継続できているなら、着実に基盤ができてきている状態です。引き続き継続的な取り組みを続けていきましょう。
まとめ

開業1年目の流れをざっとお話ししてきました。結局のところ、GBPをちゃんと整えて、口コミを仕組みとして増やし続けること、これが全部の土台になります。難しくはないんですが、続けることが大事なんですよ。
📋 この記事のポイント

開業前からGBPを仕込んで、投稿を続けながら口コミを少しずつ増やしていく…全体の流れがやっとつながってきました!これなら自分でもできそうな気がします。

開業1年目って本当に忙しくて大変なんですが、GBPと口コミをコツコツ積み上げていくと、あるタイミングでグッと患者さんが増える感覚が出てきますよ。焦らず、できることから一歩ずつやっていきましょうね。

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