予防接種シーズンは「初めての患者さん」に出会える時期

先生、毎年秋になると予防接種の電話がめっちゃ増えるんです。でも正直、バタバタして終わっちゃって…。これって何かに生かせたりします?

おっ、いい質問ですね。実はね、予防接種シーズンはふだん来院しない方と出会える貴重な時期なんですよ。GBPを時期ごとに整えておくと、接種だけで終わらず「かかりつけ」につながりやすくなります。
インフルエンザの予防接種は、持病がなく普段はクリニックに縁のない方も受けに来ます。そうした方の多くは、「近くで受けられるところ」をスマホの地図で探してから来院します。
つまり、予防接種の時期は、GBP(Googleビジネスプロフィール、Googleマップに表示される医院情報を管理する無料ツール)が初めての患者さんとの最初の接点になりやすい時期です。ここで情報が古かったり、予約の方法がわかりにくかったりすると、別の医院を選ばれてしまいます。
地図で探して来る患者さんは、まずGBPを見ている
地図で医院を探す患者さんが見ているのは、診療時間、予約方法、写真、口コミといったGBPの情報です。ホームページを開く前に、GBPだけで来院先を決める方も少なくありません。
予防接種のように「どこで受けても同じ」と思われがちな診療ほど、比べられるのは情報のわかりやすさです。対象者や費用、予約の方法がすぐわかる医院は、それだけで選ばれやすくなります。
この記事のゴール:接種をかかりつけの入口にする
この記事のゴールは、接種の予約を増やすことだけではありません。接種で初めて来た方に「何かあったらここに相談しよう」と思ってもらうことです。健康診断や生活習慣病の相談、来シーズンの接種へと、次の来院につなげていきます。
この記事では、9月の準備 → 10月の受付開始 → 11月のピーク → 12月の受付終了という時系列で、GBPでやることを順番に整理します。新型コロナなど他の予防接種でも、同じ考え方が使えます。
9月:受付開始前にGBPを整える

えっ、受付が始まる前から準備するんですか? 10月になってから投稿すれば間に合うと思ってました…。

ここが大事なんですけど、投稿より先にGBPの基本情報を接種シーズン仕様にしておくんです。探し始めた患者さんが最初に見るのは、投稿よりも説明文や予約の入り口なんですよ。
受付開始の告知を出す前に、9月のうちに整えておきたいのは「説明文」「予約リンク」「時間帯の伝え方」「写真」の4つです。土台が整っていれば、10月の投稿の効果も上がります。
サービス項目と説明文に「接種していること」を書く
まず、GBPのビジネス説明文やサービス(提供内容)の欄に、インフルエンザの予防接種を実施していることを書き加えましょう。地図で探す患者さんが「この医院で受けられる」とすぐわかるようにするためです。
厚生労働省の医療広告ガイドラインでは、予防接種の実施は広告してよい事項とされています。あわせて接種をすすめる対象者、接種回数、1回あたりの費用も書けます。
GBPの説明文がガイドライン上の「広告」に当たるかは明記されていませんが、広告と同じ基準で書いておくと安全です。
説明文・サービス欄に書いてよいこと、書かないこと
- 書いてよい:予防接種を実施していること、対象者、接種回数、1回あたりの費用、予約の方法
- 書かない:ワクチンの商品名
- 書かない:「かからない」「重症化を防ぐ」などの予防効果
- 書かない:「地域で一番早い」「どこよりも安い」などの比較・最上級の表現
予約リンクを接種予約ページにそろえる
ネット予約を受け付けている場合は、GBPの予約リンクの行き先を確認しましょう。リンクが切れていないか、接種の予約ページにきちんと届くかを、スマホで実際に押して確かめます。
予約リンクは複数登録でき、優先するリンクを選ぶと上に表示されます。接種の予約が中心になる時期は、接種予約のページを優先リンクにしておくと迷わせずに済みます。設定の手順は下の記事で詳しく解説しています。
接種専用の時間帯は「営業時間を書き換えずに」伝える

あ、うちも土曜の午後に接種だけの枠を作る予定なんです! GBPの営業時間をそこだけ変えちゃえばいい感じですか?

うーん、そこはちょっと気をつけてほしいところで。営業時間を書き換えると、一般診療も受けられると誤解されるおそれがあるんです。接種枠は営業時間とは別に、説明文や投稿で案内しましょう。
GBPの営業時間は、患者さんが「今行けば診てもらえるか」を判断する大切な情報です。接種専用の時間帯を営業時間に入れてしまうと、一般診療を受けたい患者さんが来院して困ってしまうことがあります。
接種枠は「土曜14時〜16時は予防接種のみ(予約制)」のように、投稿や説明文で案内するのが確実です。祝日や年末年始など、診療時間そのものが一時的に変わる日は、通常の営業時間を変えずに「特別営業時間」を設定します。
写真で「初めての不安」を減らす
初めて来院する方は、「どんな雰囲気の医院だろう」と不安を持っています。受付や待合室、接種のあとに休んでいただく場所の写真を新しくしておくと、来院前のイメージがわきやすくなります。
写真は、患者さんの顔や個人が特定できるものが写り込まないよう注意してください。スタッフの写真を載せる場合は、本人の了承を取っておきましょう。
10月:受付開始を投稿で知らせる

いよいよ受付開始ですね! GBPの投稿って種類がいくつかありましたよね。それって、どれを使えばいいんでしょう?

よく聞かれるんですが、期間が決まっている接種の受付なら開始日と終了日を設定できる「イベント」投稿がおすすめです。受付期間がひと目で伝わりますからね。
GBPの投稿には「最新情報」「特典」「イベント」の3種類があります。それぞれの使い方は下の記事で解説していますが、予防接種の告知ではイベント投稿を軸にするのがおすすめです。
「イベント」投稿を使う理由
イベント投稿は、タイトルと開始・終了の日時を設定できます。受付期間を「10月1日〜12月下旬(ワクチンがなくなり次第終了)」のように示せるので、患者さんが「今受けられるのか」を判断しやすくなります。
一方、期間を設定しない「最新情報」の投稿は、6か月が過ぎるとアーカイブされます。予防接種のように時期のはっきりした案内は、期間を持たせたイベント投稿のほうが向いています。
投稿に入れる項目チェックリスト
投稿の文章は、患者さんが知りたいことを過不足なく伝えるのが基本です。次の項目がそろっているか確認しましょう。
受付開始の投稿に入れる項目
- 受付期間(終了の目安も)
- 対象者(年齢など)
- 接種回数
- 1回あたりの費用
- 予約の方法(ネット予約・電話・予約不要の別)
- 問診票の案内(事前に記入できるかどうか)
65歳以上の方などが対象の定期接種は、実施期間や自己負担額が自治体ごとに違います。「定期接種の対象の方は、お住まいの自治体の案内もご確認ください」と添えると、誤解を防げます。
予防接種の告知で書いてはいけない表現

ここ、ついやりがちなんですけど、割引や「今だけ」を強調する書き方は避けましょう。医療広告ガイドラインでは、費用を強調した広告は品位を損ねる広告の例に挙げられているんですよ。
医療広告ガイドラインには、「今なら○円」「期間限定で○%オフ」のように費用を強調した広告が、避けるべき例として示されています。GBPの「特典」投稿は割引やキャンペーンを打ち出すための形式なので、予防接種の告知には使わないほうが安全です。
また、Googleの投稿ルールでも、医薬品などの規制対象の分野では商品そのものについての内容は投稿できないとされています。ワクチンの商品名を出さないことは、ガイドラインとGoogleのルールの両方に沿った書き方になります。
投稿文の例:「インフルエンザ予防接種の受付を開始しました。対象は生後6か月以上の方、費用は1回○○円です。ネット予約または電話でご予約ください。ワクチンがなくなり次第、受付を終了します。」
上の例文の対象者・回数・費用は、自院の実際の内容に置き換えてください。
11月のピーク:接種の体験そのものを口コミにつなげる

11月って、うちの受付はほんとに戦場なんですよ…。待ち時間が長くなって、厳しい口コミを書かれたらどうしようって不安で。

わかります、うちのクリニックでも11月は毎年大変です。だからこそ待ち時間の見通しを先に伝えておくのが大事なんですよ。そのうえで、接種が無事に終わった方にはさりげなく口コミを案内してみましょう。
予防接種のピークは、初めて来院した方の体験が一気に積み重なる時期です。「スムーズだった」「丁寧だった」という体験は、そのまま次の患者さんへの安心材料になります。
経過観察の待ち時間に口コミを案内する
接種のあと、院内でしばらく様子を見ていただく時間があります。患者さんの手が空いていて、接種が無事に済んで安心しているタイミングなので、QRコードのついた案内カードを渡すのに向いています。
ここで大切なのは、書くかどうか、いつ書くかを患者さんに任せることです。「よろしければ、後ほどご感想をお寄せください」とカードを渡すくらいにとどめましょう。口コミ依頼のタイミング全般は、下の記事で詳しく解説しています。
口コミ依頼でやってはいけないこと
Googleの口コミポリシーで禁止されていること
- 口コミと引き換えに割引・特典・無料サービスを提供する
- 満足していそうな方だけを選んで口コミを頼む
- 院内でその場で口コミを書くよう求める
- スタッフに口コミ件数のノルマを課す
違反すると口コミが削除されたり、GBPに制限がかかったりするおそれがあります。
特に予防接種の時期は、「口コミを書いてくれたら接種料金を割引」のような企画を思いつきがちです。これはGoogleのポリシー違反になるうえ、医療広告ガイドラインから見ても避けたい企画です。詳しいルールは「Google口コミのポリシー完全ガイド」の記事で解説しています。
混雑期の待ち時間と口コミへの返信
待ち時間の不満は、事前の一言でかなり和らぎます。「11月の土曜午前は混み合います」のような見通しを投稿で伝え、受付でもおおよその待ち時間を伝えましょう。
それでも待ち時間への不満が口コミに書かれた場合は、言い訳をせず、事実と改善の取り組みを返信で伝えます。返信は書いた本人だけでなく、これから来院を考えている方も読んでいることを意識しましょう。
メオクリでは、QRコードから患者さんの感想を受け取り、口コミ投稿まで案内する流れを仕組みにできます。混雑する時期でも、受付の声かけの手間を増やさずに口コミの案内を続けられます。
12月:受付終了を知らせ、次の来院につなぐ

ワクチンがなくなったら受付終了ですよね。それって、終わったらもうGBPでやることはない感じですか?

いえいえ、実はね、終了のお知らせは次の来院につなぐチャンスなんです。「接種は終わりましたが、こんな相談もできますよ」と一緒に伝えてみましょう。
シーズンの終わりは、つい何もせずに過ぎてしまいがちです。けれども、終了の伝え方しだいで、接種だけの患者さんを次の来院につなげられます。
受付終了の投稿と予約リンクの切り替え
ワクチンがなくなり次第、受付終了の投稿を出しましょう。あわせて、10月に出したイベント投稿の終了日を実際の終了日に合わせます。予約ページの受付終了表示への切り替えも忘れずに行いましょう。
終了後も「受付中」の情報が残っていると、来院してから断ることになり、不満の口コミにつながりかねません。年末年始の休診も、通常の営業時間は変えずに特別営業時間で設定しておくと安心です。
受付終了時のチェック:終了の投稿を出した/イベント投稿の終了日を合わせた/予約ページを受付終了の表示にした/年末年始の特別営業時間を設定した
接種だけの患者さんを次の来院につなぐ案内
終了のお知らせには、健康診断、生活習慣病の相談、発熱したときの受診方法など、これからも頼ってもらえる内容を一緒に載せましょう。
接種で一度来院した方は、医院の場所も雰囲気も知っています。「何かあったら相談できる場所」として思い出してもらえれば、それがかかりつけの第一歩です。再来院につなげる工夫は、下の記事も参考にしてください。
シーズンの振り返りを翌年に生かす

たしかに! シーズンが終わったら、ほっとしてそのまま終わりにしてました…。振り返りもしたほうがいいんですね。

そうそう! 今年の数字を残しておくと、来年の準備がぐっと楽になります。数分でできるので、焦らず一緒にやってみましょう。
GBPのパフォーマンス画面では、通話、ルート検索、ウェブサイトへのクリック、予約といった数を確認できます。9〜12月の数字を前のシーズンと比べて、どの時期に反応が多かったかを見てみましょう。
「告知を出した週に通話が増えた」「混雑の見通しを伝えてから待ち時間の口コミが減った」といった気づきをメモに残しておくと、来年の9月にそのまま使える改善リストになります。見るべき数字は下の記事で詳しく解説しています。
まとめ:予防接種シーズンの月別チェックリスト

では、今日のポイントをまとめますね。月ごとにやることを決めておけば、毎年バタバタせずに済みますよ。
📋 この記事のポイント

めっちゃスッキリしました! まずは説明文に接種の案内を書き足して、予約リンクをスマホでポチッと確かめてみます。今年は終了のお知らせまでやりきります!

いいですね! 大丈夫、一歩ずつで十分です。接種に来てくださった方が「またここに来よう」と思える流れができれば、シーズンが終わってもつながりは続いていきますよ。

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